前回までは、高金利通貨の南アフリカランドで金利や為替レートが下落が発生した際の見通しを検証しました。
最終的な結果としては、金利が下がった場合、為替が下がった場合の両方の場合おいて、バイアンドホールド(一括投資)でスワップを再投資することが一番資産を増やす方法になりました。
ただし、現在よりも金利が下がる場合は、一括投資と積立投資の資産運用の結果に大きな差は出にくくなります。
金利の下落と為替レートの下落が同時に発生する場合は、精神的な不安を解消する意味でも積立投資を選択する方が良いという結論も得られました。
この記事では、同じ高金利通貨のメキシコペソについても、過去の金利推移を参考に金利下落のリスクが発生した際の見通しを計算します。
今回も、金利が変動した場合に、メキシコペソを保有していた場合はどうなるのか?
バイアンドホールド(一括投資)と積立投資の異なる投資方法で運用した場合の見通しを比較してみたいと思います。
バイアンドホールド(一括投資)は、スワップポイントを一番多くもらえる方法ですが、為替レートの下落に弱い投資方法です。
積立投資は、バイアンドホールド(一括投資)ほどスワップポイントはもらえませんが、為替レートの下落に対応している投資方法です。
この二つの投資方法を比べて見たいと思います。
各投資方法のメリットやデメリットは、「スワップポイント投資方法」にまとめました。

メキシコペソの金利の見通し
スワップの見通しを計算する上で考慮すべきなのは、政策金利です。
メキシコペソの政策金利の推移です。
政策金利は、2018年8月現在は、7.75%となっています。
また、過去最低金利は、3.0%になります。

政策金利については、将来下がる傾向になることが予想できます。
高すぎる金利は下げる必要があるからです。
金利と為替レートは逆になるように動く傾向があります。
つまり、金利が上がると為替レートが下落します。
為替レートの下落は、発行国のインフレにつながります。
過度なインフレは経済に影響があるので、適切な金利にする必要があります。
例えば、かつての高金利通貨であるオーストラリアドルも政策金利が7.0%から1.5%まで下がっています。
金利と為替レートの関係は「日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル」に書かれています。
この記事の趣旨とは異なりますが、もしも国家が破産するなら、その時にどのような資産運用をするべきか?
について書かれており、一読の価値があります。
そのような傾向を元に、メキシコペソも金利が下がる見通しがあります。
メキシコペソが金利変動した場合の見通しを計算
計算の前提
2018年8月現在は政策金利7.75%となっているメキシコペソですが、過去最低の3.0%まで下がることは予想できます。
そのため、政策金利の下がった割合を考慮すると、現在のスワップポイントは11円とすると、約4.5円まで下がると考えられます。
過去の政策金利の推移を参考に、1年間(12ヶ月)で11円から4.5円に下がるという前提にします。
証拠金の設定については、現在の6円/ペソから過去最安値から余裕を持って4.5円/ペソに耐えられるように、1万通貨を2万円で購入する事にします。
今回は、30万円で15万通貨を購入した場合について、見通しを計算してみましょう。
積立投資の場合は、毎月3万円ずつ積立て、10ヶ月で合計30万円を投資する方針にします。
計算の前提を、グラフにすると以下のようになります。

結果
投資開始から20年間の資産の見通しを計算してみました。
バイアンドホールド/積立投資の2パターンの投資と、得たスワップポイントを再投資する/しないの2パターンの掛け合わせの4パターンになります。
スワップポイントを再投資する方が、どちらの投資方法においても、資産が大きくなっているのが分かります。
スワップポイントを再投資した上で、バイアンドホールド(一括投資)での再投資をした場合が、資産が一番大きくなります。
為替レートが安定が見込める場合には、バイアンドホールド(一括投資)でスワップポイントの再投資を行い、しっかり儲けたいですよね。

ただし一つ気になるとすれば、
メキシコペソで運用した20年後の資産が、高金利通貨の南アフリカランドを対象にリスクが発生した際の見通しで検証した、南アフリカランドで運用した20年後の資産よりも少ない点です。
30万円を20年間で運用した結果、南アフリカランドでの運用が約400万円になるのに対して、メキシコペソでの運用は約150万円になります。
これは両国の金利差が複利効果に反映されたことによるものです。
南アフリカの過去最低金利は6.5%に対して、メキシコペソの過去最適金利は3.0%になります。
メキシコペソに関しては、金利の推移を注意して見ておきたいですね。
まとめ
この記事では、メキシコペソの金利が下がった場合に、バイアンドホールド(一括投資)と積立投資について見通しを計算しました。
今回、計算の前提は一部でしか行えませんでしたが、条件次第では結果は変わってくると思います。
その上で、為替レートが維持される場合は、バイアンドホールド(一括投資)の方が成績は良い結果となりました。
過去の金利推移から金利が大きく下落する可能性を否定できないですが、メキシコペソの金利も魅力的です。
リスクを事前に把握した上で、投資してみるのは良いと思います。
私も、損失を納得できる範囲の額で投資を実践しています。
もし、スワップポイントの投資を行う場合は、「スワップポイント投資」にまとめていますので、ご参考ください。
